松田 幸裕 記
2026年に入り、早くも2か月半が経とうとしています。年を取るにつれて、時が経つのが早くなるものですね。そんなことを考えていて、ふと「もう2026年になったが、そういえば「2025年の崖」はどうなったんだろう?」という疑問が浮かびました。
「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に公開された「DXレポート」において、「既存システムの問題が足枷となり日本企業がDXを推進できずに経営改革が遅れると、デジタル競争の敗者となり経済損失が発生する」と警告し、それを「崖」として表現したものです。経済産業省の「産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)」のページにDXレポートの各資料へのリンクがありますので、興味がある方はこちらからご確認ください。
本投稿から数回で、この「2025年の崖」について振り返り、今後のITにおける目指す姿なども考えてみたいと思います。
振り返りは行われているのか?
「こういうキーワードは言いっぱなしになることが多いから、きっと振り返りなんて行われていないんだろうな…」と思ってWebを検索してみると、、、「レガシーシステム脱却に向けた「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」を取りまとめました」というページがありました。しっかり振り返りをされていたのですね。マイナスな先入観を持ってしまい、反省です…。
以降では、この中にある「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」の資料から情報をピックアップして、考察していきたいと思います。
「2025年の崖」で警告したことは?
この資料に書かれている内容から、簡単に「2025年の崖」で警告したことを整理したいと思います。
DXにより企業が競争上の優位性を確立するためには、データの利活用を積極的に行い、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、素早く変革し続けることが必要です。しかし、このままではレガシーなシステム、レガシーな企業文化などが足枷となり、競争力を失うことになる、というのが「2025年の崖」での警告です。
ここで重要なのは、「レガシーなシステム」のみでなく「レガシーな企業文化」も問題視していることです。この辺りも意識して振り返っていきたいと思います。
日本は「崖」から落ちたのか?
ここは難しいところです。当初「DXレポート」では、「この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある」と書かれていました。さすがにこの損失額がどうだったのかはわかりませんよね。ここではいったんポイントを絞り、レガシーシステムの現状について見てみたいと思います。
図:レガシーシステムの残存状況
(経済産業省「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて」より)
「レガシーシステムの残存状況」のグラフを見ると、61%の企業でレガシーシステムを保有しているという結果が出ています。また、大企業の方がレガシーシステム保有率は高いそうです。2018年のレポートでは「約8割の企業が老朽システムを抱えている」と書かれていたため、7年間で8割が6割に減ったことになりますが…減り具合は少ないですね。
レガシーシステムの保有率だけで断言することはできませんが、新技術の組み込みや新技術との連携が柔軟にできないレガシーシステムがまだこれだけ残っているというのは、大きな課題かもしれません。また、次回以降で触れる企業文化なども考慮すると、やはり課題はまだ解決していないと読み取れます。そういう意味では、我々は既に崖から落ちているのかもしれませんね。年間12兆円かは別として、このことによる機会損失は既に生じているのだと思います。
今回は「崖」についての簡単な整理だけ行いました。この資料は随所に鋭いことが書かれているためその内容もピックアップしつつ、次回以降は企業文化や人材などにも踏み込んで、崖から這い上がるために何をしていけばよいかを考察していきたいと思います。
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